内容紹介

dagger‡ 2 コンテンツ


短歌+イラスト
「聞き耳セーラー」 絵・シモジユウキ/短歌・小田原知保


短歌
フルメタル・ムーン Full Metal Moon 」 吉田竜宇         
「革命(フエト)」「メロウ」「スメルズ・ライク・チルドレン」 井ノ上法子
「ほどいて、はじまる」 小田原知保
「アルパカへの憧憬」「ふーじゃ」 吉田隼人      
「三月の数行・抄」「砂の城」 吉田恭大


随想+歌評「ばらの思い出・ばらの歌」 小田原知保

小説「snuff film」 吉田隼人

SS「東京」 井上法子

COMITIA87参戦記録 吉田恭大

製本:オフセット48p

   ばらの思い出


※dagger‡2に掲載された小田原知保のエッセイ「ばらの思い出」の決定稿です。編集の手違いで、旧稿のまま本誌に掲載してしまったため、改めて最終稿をここに掲載します。申し訳ありませんでした。本誌と合わせてお楽しみいただければ幸いです。



 ばらの思い出

 前号のエッセイ冒頭で書いたとおり、私にはあまり格好のつくエピソードが無い。そんな私の幼少期の回想にまたお付き合いいただけたらと思う。

 私がばらに猛烈に憧れを抱いたのは確か、ディズニーのアニメ映画を見たのがきっかけだった。映画『美女と野獣』の野獣が住む城の一室。円卓にのった硝子ケースの中で赤みがかったピンクのばらがゆっくりと花弁を落としていく。その様を画面に食い入るようにみていたものだ。ばらは野獣の生命だったか、野獣を野獣の姿に変えた魔法の期限だったかを象徴していたのだと思う。その辺りの記憶はかなり曖昧だ。花弁がぜんぶ落ちてしまったら最後、野獣はさらに大変な境遇に陥ってしまうとだけ、私は多分、理解していた。
 メルヘンチックなばらを滅法気に入ってしまい、それからは『雪の女王』のカイとゲルダが住む家のばらの庭なんかを想像しては楽しんだ。本物の薔薇にはあまり興味がなかった。うちの鉢植えには赤い薔薇が一輪植わっていたけれど、野獣のばらのような繊細な色をしていなかったし、ファンタジーアニメ特有のきらきらを放っていなかったから。真っ赤な薔薇は花びらを開きすぎてしまい、ふてぶてしくもったりとした印象を私になげかけてくるばかりだった。

 しかし、ばらに心を奪われてからしばらくして、私は枯れてしまった鉢植えの薔薇を見つけて思わず駆け寄った。茶色く醜くなったばらの花を見たことがなかったものだから。硝子ケースに入っていた例のばらに似せようとして、私は薔薇を抜いてしまおうと思った。(花を抜こうと思ったのはこの時が初めてではない。それ以前に住んでいた家で、庭中のスイセンを根こそぎ両手いっぱいに抜いたことがある。)まともに茎をつかもうとしてしまったものだから、まだ柔らかかった私の手は刺さり傷が少々できてしまった。棘に戸惑いながらも、私は力をこめて、薔薇の棘に爪をたてた。すると、先端が赤黒く、緑がかった、透明な棘の表面がつるっととれた。それは固く、猫の爪のような形をしていた。薔薇の爪をとる作業に私はすっかり夢中になって、土から花にいたるまでの棘ひとつひとつに爪をたてていった。全工程を終えたあとの薔薇の茎は、もう触っても痛くなかった。
 結局花を手折ることはせずに、私はとれた薔薇の棘や、棘の爪だけを持って家に戻り、数日は、それらを下に敷いた枕に頭を乗せて眠った。


食用の薔薇なら捨ててしまいなさい水に浮かべる薔薇のさやけさ

お疲れ様でした。

第八回文学フリマ、無事終わりました。
皆様ありがとうございました。

おかげさまで初売りのdagger‡2を始め、作品を多くの人が手に取ってくださいました。※1
ポストカード「追伸・カーテン裏の夢」は売り切れ、1号と「果実の罪過」も残部僅少となっております。
会場ダッシュまでしてくれた第一号のお客さんをはじめ、お友達のみなさまも暖かい応援ありがとうございました。

会場の大田区産業プラザPiOは、前回の秋葉原より広く、心無し空気が澄んでいてよかったです。
会場に高低差が無かったのと、天井が高かったことがおおきいのかも知れません。
アクセスは予想通りなかなか大変でしたが。

短歌のブースはだいたい一塊で、そのなかで目立って盛況だったのは5つとなりのG−40ivoryさんのところでした。配られていたハート型の風船が、あちこちでポンポン割られていました。中に紙片が入っていて、当たりの人は「次号の」歌集が貰える、という仕掛けだったようです。おとなりのやすまるさんはまめ本を作られていたし、そういう見せ方が色々あるのも文フリの光景ですね。

収穫品の話は、いづれまたどこかで。

2号の感想などもらえるとみな喜びます。特に私が。

※1売り上げ的にはE/Tどころかネフスキィどころか、プラス全集まで買えるくらい出ました。

   ‡2号、文フリにて。

そろそろネット担当を立てたほうがいいですね、編集の双六です。

なんとかぎりぎり間に合いました。
「dagger‡2号」、いよいよ明日の文学フリマで初売りです。

ブースは「G-36」
今回は短歌屋さんがたくさんいるところですね。



配布物は、

dagger‡1号
dagger‡2号
(各300円、割引有り)

ポストカード
「追伸・カーテン裏の夢」(絵:シモジユウキ・歌:小田原知保)
「果実の罪過」(写真:吉田恭大・歌:吉田隼人
(各5枚セット200円)

あとその他。オオサンショウウオの写真とかも持って行きます。
皆様のご来場をお待ちしています。





『第八回文学フリマ
開催日 2009年 5月10日(日)
時間 開場11:00〜終了16:00(予定)
会場 大田区産業プラザPiO
京浜急行本線 京急蒲田駅 徒歩 3分、JR京浜東北線 蒲田駅 徒歩13分)
ULR:http://bunfree.net/

短歌系サークルリスト

日付詐称して再び更新です。
こんなところで更新しても誰得ですが、
「第八回文学フリマ」短歌関係のサークル様一覧です。

G−17 練馬言葉力研究所

G−21 平田真紀(polarisM1)
http://www.poetry.ne.jp/member/hirata_maki/

G−19 桃色短歌
http://ameblo.jp/momotan-31/

G−34 掬月堂
http://kikuno.moryou.com/

G−36 dagger‡
http://d.hatena.ne.jp/dagger08/(うちです)

G−37 やすまる
http://yasumaru-mk.jugem.jp/

G−39 藤原泰子はここにいいます
http://yasukonoblog.blog9.fc2.com/blog-entry-10.html

G−40 短歌ユニット ivory
http://tankaivory.blog19.fc2.com/

G−43 アララギ派大阪学生短歌
http://www.geocities.jp/araragi_osaka/


おそらく初めてお見かけするのはG−39の藤原泰子さんですかね。
今回は大手?(と言っていいのかなんなのか)の「歌クテル」さんや「山羊の木」さんが参加されていないのですね。あとマスノさんのところとか。会場が移った影響でしょうか。

あとは早稲田系(と言っていいのかなんなのか)の大学サークルの出店も、わせぶん、現文、国文、ワセミスとなにやら散らばっております。詩歌を除く「文芸系サークル」がほぼ集まってる・・・のか?

会場が変わったおかげでうちなんかぎりぎり滑り込めたわけですが、イベントがどう変化するのか。
前回の経験も多少踏まえて、レポを書きたいと思います。はい。


リンク等、文責は双六にありますので、もし問題ありましたらご連絡ください。






『第八回文学フリマ
開催日 2009年 5月10日(日)
時間 開場11:00〜終了16:00(予定)
会場 大田区産業プラザPiO
京浜急行本線 京急蒲田駅 徒歩 3分、JR京浜東北線 蒲田駅 徒歩13分)
ULR:http://bunfree.net/

×何か

お久しぶりです。あけましてとかもう言えませんよね。
今日も今日とて一輪車操業の編集の双六です。

なにやら思わせぶりな前回記事から早くも2ヵ月経ちました。
で、本日ですが、dagger‡がCOMITIA87に参加します。
スペースは『き-09a』、ジャンルは「文章」です。

dagger‡1号と、ポストカードその他を出品予定です。



ポストカード

「追伸・カーテン裏の夢」
   小田原知保×シモジユウキ 5枚200YEN 

「果実の罪過」
   吉田隼人×吉田恭大  5枚200YEN

その他はこれからの印刷の出来次第です。配布もあるよ。


「カーテン裏」がイラストと短歌、「果実の」が写真と短歌のコラボレーション(ヤな言葉だ...)となっております。
出来は割といい感じにそれぞれの世界観が出ているのではないかと。

短歌出している人はほぼ皆無の会場で、しかも告知ほぼ皆無の状態で、どれほどの人が見てくれるか全く見当がつきませんが、まあ通行人に「なんかあったな」というくらいの印象を残す程度にがんばりたいと思います。はい。

 『コミティア87』
 ・主催・コミティア実行委員会。
 ・日程・2月15日(日) 11:00〜15:30
 ・会場・東京ビッグサイト 東01ホール

当日告知とか早○短の歌会じゃないんだから・・・orz

現況報告

更新が滞っておりました。ネットが止まると生きた心地がしないダメ人間の編集です。
滞っていたうちの出来事をふたつほど。


光森裕樹さん運営の短歌ポータルサイト「tankaful」でdagger‡を掲載して頂きました。
詳しく紹介していただいています↓
 tankaful短歌ポータル tankaful(タンカフル)
 書籍情報http://www.tankaful.net/book/book_dagger.html


その他、計画が粛々と進行中です。
仔細はまた追って。